―― はじめての新規作成から、ゲームをカスタマイズするまで
本章では、下記の内容を出来るようになりたいと思います。
- Portal Builderに入って、新規作成ができる。
- 「Portalカスタム」/「既存モード」 の違いが、手を動かしながら理解できる。
- 基本設定(モード・スコア条件・装備・マップ・HUD) を、最小の迷いで整えられる。
- 自分のモードの“芯”(目的・所要時間・推奨人数) を短文で言えるようになる。
- テスト起動→修正→再テストの小さなループを回せる。
1 Portal Builderへの入口
まずは、Portal Builderにログインして、ゲームで運用するためのポータル作成を行いましょう。
Portal Builderは、ブラウザで操作します。早速、新規作成の作業をしてみましょう。
1.1 新規作成
Portalページに行き、「新規作成+」をクリック。

Portal Builderのホーム
1.2 「Portalカスタム」と「既存モード」の選択肢
「Portalカスタム」と「既存モード」を選ぶことができます。
「Portalカスタム」と「既存モード」の違いについては、 「第1章 Battlefield Portalとは何か」の「“コミュニティエクスペリエンス”という新しい単位」 をご確認ください。

Portal Builderのゲームモード選択画面
2 ベースモードを決める(遊びの“芯”を一句に)
新規作成の最初は “何の遊びか” =ベースモードの選択です。一句で言える目的を先に決めることが必要です。
ゲーム開発者としても、作る指標になります。何より 遊ぶプレイヤーにとって、直ぐに理解できるゲームルールでないと、何をどうしたらよいのか分からない という問題が起きます。
何をしたらよいのか?:どんなゲームなのかすぐにイメージできるように。
例:よくあるベースモード
「ゾンビゲーム」:防衛側のプレイヤーが全員死んだら負け
「自動車レース」:小型の乗り物に乗ってチェックポイントを巡る
3 基本ルールの土台(スコア条件/勝利条件/時間)
ルールを明確にすることにより、プレイヤーは何をしたらよいのか?何が出来るのか?が分かるようになります。難解なルールは開発者にとって魅力的に感じても、プレイヤーにとっては理解のできないゲームではない物体になります。
自分が面白いと思っても、一度は他の人やAIに自分が作ったルールを聞いて貰っても良いでしょう。
- ラウンド時間:10〜15分を目安にする。長すぎると遊ぶプレイヤーとって退屈だったり疲れて長続きしません。
- 勝利条件:キル数/ポイント到達/チケット制/目標達成…“一句の目的”に一致させる。目標を明確にしないとプレイヤーは何をしたらいいか分かりません。
- スコア配分:どちらかチームのプレイヤーが有利すぎると、「Aチームなら必ず負けるからAチームならやりたくない」という現象が起きます。与えられるポイントやオブジェクトの配置を工夫しましょう。
先に“終了の姿”を思い描く:いつ終わる? 何が起きて終わる? を一行で。
例:「ゾンビゲーム」:防衛側のプレイヤーが全員死んだら負け
- ラウンド時間:10分
- 勝利条件: 10分間生き残る
- スコア配分:双方とも武器・兵器が使え、ゾンビ側の体力は最初は少なく、後半につれて体力を増やす。人間側のプレイヤーは事前に陣地を作ることが出来る。最初から人間側プレイヤーの人数を少なくする。
ゾンビ側にも有利な状況を生み出すことにより、ゾンビ側プレイヤーはやられるだけのカカシではなくなる。
人間側プレイヤーは後半になるほど緊張感が出てきて退屈に感じられなくなり、陣地の構築の方法にも考えるようになる。
4 装備・兵器(混乱するような装備を排除)
- 武器・ガジェット:モードの意図に合わない装備は外す。初心者向けなら癖が強い武器を減らすようにする。
- ビークル:輸送は導線作りに便利、攻撃車両は「場を握る」ので数を絞る。
面白さを考える:プレイした時にどちらかが有利すぎる状況を生み出さないようにする。
なお、根本的な設定として、下記の画像のようにPortal Builderの武器制限メニューから武器などの制限が可能です。

Portal Builderの武器制限メニュー
例:「ゾンビゲーム」:防衛側のプレイヤーが全員死んだら負け
- 武器・ガジェット:使う用途が薄いドローンなどを使用不可能にする
- ビークル:人間側は10分間を通して、攻撃車両は1台しか出せないようにする。ゾンビ側は攻撃車両が出せない代わりに、対戦車兵器などを出せるようにする。
人間側は陣地が構築できるため、戦況を一気かえられる代物をそう簡単に出させないように必要があります。
ゲーム性が壊れるような装備・ビークルは、ゲームで使用不可能にします。
5 HUD・UI(“ことば→目印→効果”の準備)
メッセージなどは短文にしないと、忙しくしているプレイ中では確認できないことがあります。
また、理解が追い付かないこともあるため、見た時に一発で理解できるようにします。
また、 メッセージ→目印→演出とすると、命令を理解してから目印が何の目的のものなのか分かるように なります。
その逆の表現だと、それはプレイヤーにとって何のための目印なのか分からなくなります。
- メッセージ:5〜12文字の短文で「次の一手(次にやるべきこと)」だけ。
- 目印(WorldIcon):数は少なく、目的に合わせたアイコン・案内メッセージを用意。目印が多すぎるとどちらに向かったらよいのか分からなくなります。
- 演出準備:SFX/FXは鳴らし過ぎない前提で考える。多すぎると何の理由で鳴っているのか分からなくなります。
6 ゲーム性の確認のためのテスト起動のループ(最小のPDCA)
- 起動:1人、または2人で入る。
- 開始→入口→目的地が、迷いなくできるかだけを見る。
- 修正→再起動:1項目だけ直して、また試す。
本当に動作するのか?客観的に見てゲーム目的が分かるのか?という確認する必要があります。
また、ゲームが明確にどちらかのチームに有利すぎることがないようにルールやダメージ設定などを調節する必要があります。
これらをしなかった場合、 「ルールの分からないゲーム」「面白くないゲーム」 になります。 念入りに調べましょう。
目標:10分で1往復。深追いせず、小さく直して小さく確認。
7 “Portalカスタム”と“既存モード”の実務ライン
- Portalカスタムで進むなら:この章で決めた土台を 第4章(配置とID)→第5章(ルール化)→第6章(実装)へつなげます。公開時に「カスタムロジック」 等のタグが付くことがあります。
- 既存モードで遊ぶなら:この章の設定だけで十分に遊べる状態まで到達できます。装備・AI・マップの調整を中心に“学びながら回す”のがコツです。
- XPについての姿勢:設定や公開形態により制限の可能性がある、というふんわり理解を維持しておきましょう (本書では詳細に踏み込みません) 。
8 つまずきQ&A
-
Q:ルールエディタ/マップエディタが見つからない
A: 既存モードを選んでいませんか? Portalカスタムで作成すると使えます。 -
Q:開始しても誰も動かない
A:入口→目的地の導線がプレイヤーが分かっていない可能性あり。HUDの短文と、目印を1つや2つに留める。 -
Q:音がうるさい/車両が多い
A:この章では減らす側に寄せ、演出の密度は第8章のビジュアルと演出で設計します。
結論
第2章は、 Portal Builderを“迷いなく触り始める”ための手引き です。
ここで目的/時間/人数を固め、入口→目的地の導線を作れば、ゲームを作るときの作業目標が分かるようになります。
📘 次章「Portalカスタム」のための環境構築 では、今考えたゲームを作る前にゲームを作る環境を用意します。用意することで、「Portalカスタム」が作れるようになります。